FXを学ぶ上で決して避けて通ることができないのがテクニカルの分野です。巷では簡単に使えるものから高度なものまで、実に多種多様なテクニカルツールが紹介されています。今回はテクニカルの基本である移動平均線と、それに基づいたトレードスタイルについて学んでいきましょう。
目次
テクニカルの基本・移動平均線のおすすめの設定期間は?
まずは移動平均線の説明から始めましょう。移動平均線とは終値の平均値を互いに線で結んだものです。
例えば、当日の終値から9日前までの10個の終値を合計し、その数を終値の個数で割ると10日間の終値の平均値が求められます。新しいローソク足が出る度に同じ計算していくと、各足で10日間の終値の平均値が求まります。そして、これらの終値の平均値を互いに結べば移動平均線の完成です。
新しいローソク足が出来る度に新しい平均値が求められ、平均線が書き加えられていくので、移動平均線と呼ばれています。
移動平均線を用いれば、相場のトレンドの方向や強さを確認することが出来るようになります。トレンドとは相場が上昇、または下降し続ける状態のことを言います。トレンドが出る理由は、市場に参加している人達が買いや売りに集中する為です。一度トレンドが出ると、その後も相場がトレンドの方向に動く傾向にあります。
トレンドの判断方法はとても簡単です。ローソク足が移動平均線よりも上に位置している状態が続く場合は上昇トレンド、反対にローソク足が移動平均線よりも下に位置している状態が続く場合は下降トレンドにあると判断します。
移動平均線の設定期間は、基本的に14日に設定されている物が多いです。移動平均線の設定期間は色々ありますが、一般的に使用されている5・10・14・20・25・50・75・100・200日あたりを使用するのが良いでしょう。色々な期間を試してみて、最終的には自分のトレードスタイルに合った期間で用いるのがベストです。
移動平均線のパーフェクトオーダーとは?
FXではチャートに移動平均線を1本だけ引いて使うことは稀で、実際には設定期間の異なる複数の移動平均線を表示させて利用するのが一般的です。例えば設定期間の異なる移動平均線を2本利用すれば、先ほど説明したトレンドの転換点が分かるようになります。
移動平均線を2本引いた時、設定期間の短い方を「短期移動平均線」、長い方を「長期移動平均線」と呼びます。価格の推移と共に、2本の移動平均線は波を打ちながら互いに交錯をします。移動平均線は長期よりも短期の方が価格変化に早く反応するので、互いに交錯する際は必ず短期線が長期線を突き抜ける形となります。
相場が下落トレンドの時、2本の移動平均線は下降していますが、相場が反転して上昇すると短期線は長期線を下から上に突き抜けます。この時の交錯を「ゴールデンクロス」と言い、相場が下降トレンドから上昇トレンドに変化する転換点と判断するのです。
逆に相場が上昇トレンドを止めて下落していくと、短期線は長期線を上から下に突き抜けます。この交錯を「デッドクロス」と言い、相場が上昇トレンドから下降トレンドに変化する転換点と判断するのです。
トレンドを追いかけているトレーダーは、こうした移動平均線が作るゴールデンクロスやデッドクロスをトレンド転換の判断材料の1つとしています。
パーフェクトオーダーとは移動平均線を3本以上用いた時、全ての移動平均線が上昇または下降方向で揃うことです。特徴としては、2本の移動平均線でのトレンドよりも信頼性が高いことです。
例えば、移動平均線を5本用意して、それぞれの設定期間を5・10・20・50・100日とします。上昇トレンドが終わり価格が下落していくと、最初は最も短い5日の移動平均線が10日線とクロスします。
価格がそのまま下がり続ければ、5日線は20・50・100日線とクロスしていき、10日線や20日線も50日線や100日線とクロスしていきます。
そして、最後に最も反応の遅い50日線が100日線を上から下に突き抜けた時、全ての移動平均線のトレンドが切り替わったパーフェクトーオーダーの完成となるのです。
パーフェクトオーダーが完成されれば必ずトレンドが切り替わるという訳ではありませんが、設定期間や本数を工夫することでトレンド判断以外の使い方もできるようです。
トレードスタイルに影響する順張り・逆張りとは?
長年FXをしているトレーダーであれば、それなりのトレードスタイルというものを確立しています。トレードスタイルを大まかに分けると、順張りと逆張りに分かれます。
順張りとは先ほど説明したような、相場のトレンドに従って売買をしていくことです。
逆張りとは相場の転換を予測して、その反転のタイミングでトレンドと逆方向に仕掛けることを意味します。
どちらの方法にも一長一短があるので、どちらが優れているという見方は出来ません。順張りはトレンドが続く限り大きな利益を上げることが出来ますが、トレンドが形成されなければ多大な損失を被ります。
逆張りはトレンドの転換を捉えれば大成功ですが、トレンドが継続し続ければトレードをする度に殆ど負けてしまいます。
どちらの方法を用いるかは、その人のトレード戦略だけではなく、性格や気質によるところが大きいと思われます。順張りと逆張りを両方ともこなしているトレーダーもいますが、それができるのは上級者です。
FXを覚えたての人やトレードスタイルが確立していない人は、まずは順張りか逆張りのどちらかに決めてトレードしていくことをおすすめします。
FX初心者向けお勧め口座開設は下記リンクの記事をご参照ください。