資産運用で失敗しない為の注意点③ 株式投資

資産運用で身近なものとして「株式投資」があります。株式投資は投資信託とは違い、自分で銘柄を選択する必要があります。

ですが、知識のない投資は、投資ではなく投機(ギャンブル)といえます。

ですので今回は、株式投資を始めるにあたって、最低限知っておくべき知識を共有していきます。

自分が興味のある分野で、株の選択肢を絞る

株式投資の投資先を選択する際、まずは無数の投資先から候補を絞り込む必要があります。

上場株式の数は2019年9月現在、東証1部上場のものだけでも2,152社あります。これら全てを分析していたら膨大な時間がかかってしまい、その間にトレンドが変わってしまう恐れがあります。

ですので、まずは自分が興味があり、好きな分野や会社に絞って、選択肢を絞り込むことをお勧めします。

例えば、最近よく買うようになった洋服のブランドや、美味しいと思ったレストラン、よく見るウェブサイトの運用母体なんかも株式を上場しているかもしれません。

そういった、自分が興味のある分野で株式を選択するメリットとして、自分が興味のある分野であれば、トレンドが読みやすいという点があります。

また、自分が好きになったという事は、他にも好きになる人がいるはずなので、今後売上が伸びて業績がアップする事が予測できます。

これは株の分析ではありませんが、対象を絞り込むうえでは非常に大事なステップといえます。

興味のある株式の絞り込みができたら、その株価が割安なのか、割高なのかを見ていく必要があります。

その判断をする為の指標としてPERとPBRについて解説します。

PER(株価収益率:Price Earning Ratio)から株価を分析する

PER(株価収益率)とは、株価が1株当たりの利益の何倍にあたるかを見る指標であり、以下の式で求められます。

PER(株価収益率) = 株価 / 1株当たりの当期純利益※1

※1)1株当たりの当期純利益は、当期純利益(会社ホームページ等で確認可能)を発行株式数で割ったものです。

自分で計算しても良いですし、四季報の中の1株益(円)という項目がこれに当たります。

PERのポイントとして、一般的にはPERが15倍以下であれば割安、20倍以上であると割高だといわれております。

ただし、PERの相場は、市況や業種、会社の成熟度によっても変わってきます。

例えば、市況が活発で日経平均株価が上がると、株価が全体的に底上げされるので、PERは上昇します。

また、今後の成長が見込まれる分野の業種や成長企業、新興企業はPERが高くなりやすいですが、成熟企業の場合は今後の成長への期待値が低い為、PERは低くなりやすいです。

ですので、PERは業界平均や同業他社と比較して使用すると有効といえます。

PBR(株価純資産倍率:Price Book value Ratio)から株価を分析する

PER(株価収益率)が期間利益に対する株価の正当性を見る指標であるのに対し、PBR(株価純資産倍率)とは、その会社の財務状況に対する株価の正当性を見る指標であり、以下の式で求められます。

PBR(株価純資産倍率) = 株価 / 1株当たりの純資産※2

※2)1株当たりの純資産は、純資産を発行株式数で割ったものです。

株式会社は解散となった場合、資産を売却し、負債を返済した後に残る資産(純資産)は株主に返還される残余財産となります。

即ち、PBRが1未満の時に会社が解散した場合は、株価以上の返還を受けることになる為、割安といえます。ただし、含み損や粉飾決済があった場合、純資産が目減りするリスクが有る為、PBRが1未満となっている理由が明確にならない場合は不用意に手を出すべきではありません。

逆に、PBRが1を大きく上回っている場合は、割高といえますが、裏を返すとその会社は解散せずに、継続的に利益を出す可能性が高いと市場で判断されているといえます。

ですので、PBRの判断ポイントとしては、PBR=1を底値の支持線とおいて、底値付近での買いが望ましいと考えます。

ROE(自己資本利益率:Return On Equity)から会社の収益力を分析する

前項で株価の割高・割安の判断基準について解説しました。

会社は収益を上げて投資家の信頼を得ることで、株価が上がっていきます。

ですので、今後の株価の動向を予測する為に、その会社の持つ収益力を見る事はとても大事になります。

そこで役に立つ指標としてROE(自己資本利益率)があります。

ROEは、自己資本を使って、どれだけ最終利益を上げているのかを表す指標で、以下の式で求められます。

ROE(自己資本利益率) = 当期純利益 / 自己資本(期首と期末の平均値)

ROEは高いほど収益性が高いことを意味しております。

この指標もPERと同様に、業界平均や同業他社との比較により、収益性の良し悪しを判断できます

最後に

実際の株価の値動きは上記に加え、会社の新規事業や新規設備への投資、新製品開発、CM等による知名度上昇等の要素も絡んでくるために、割安株が必ず上がるとか、割高株は上がらないとは一概に言えません。

しかし、上記の指標を抑える事で、株式投資はギャンブルではなく、指針を持った資産運用にすることができます。

繰り返しになりますが、知識なき投資は投資ではなく投機(ギャンブル)です。

自分の資産を守る為にも、お金の勉強をして、将来に備える為の資産運用を心掛けましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。