外国為替とは、円高・円安を初心者にわかりやすく解説

お金の勉強をする上で、外国為替についての知識はとても需要なファクターとなります。

今回は外国為替相場とは何か、相場がどのような時に動くのか等を解説していきます。

お金の価値は一定ではない。外国為替のしくみを解説

お金といわれると、一般的には日本円のお札をイメージされる方が多いかと思います。

ですが、ご存じのように、お金というのは国ごとに異なる通貨が存在します。

例えば、アメリカのUSドル、イギリスのポンド、EUのユーロなど、通貨の種類は多岐にわたります。

そして現在、世界的な基軸通貨はUSドルとなっております。

この異なる通貨間で取引を行う時に、為替レートというレートを使って取引を行います。

例えば、為替レートが1ドル=100円の時に一万ドルの買い物をドル建てで行う場合、

一万ドル×100円/ドル=100万円 となり、100万円かかる計算となります。

ただ、この為替レートというのは一定ではなく、常に移り変わっております。

1985年当時、1ドル=238円台であった為替レートは、同年アメリカの貿易赤字脱却の為に行われた「プラザ合意※」により、翌年1986年には1ドル=168円台にまで変動しました。

※プラザ合意については別記事「バブル崩壊の原因をわかりやすく解説 プラザ合意~BIS規制」にて詳しく説明しております。

円高・円安とは。初心者にわかりやすく解説

先述の通り、為替レートは一定ではないのですが、レートの移り変わりを理解する為に、「円高」「円安」という言葉について、解説いたします。

円高

もともとの為替レートが1ドル=100円だとします。

このレートが1ドル=95円になった場合、1ドルを得る為に支払う円貨は元のレートに比べて、5円少なくて済むようになります。

これはつまり、ドルに対する円の価値が上がった為、少ない円でドルを買えるようになったといえます。

これが、円の価値が高くなったということから、「円高」といいます。

円安

次に、為替レートが1ドル=100円から1ドル=105円になった場合を考えます。

この場合、先ほどとは逆に、ドルに対する円の価値が下がった為、ドルを買う為に多くの円を支払う必要があるといえます。

これは即ち、ドルを持っている人からすると、円を安く買えることになるので、「円安」といいます。

円高・円安のメリットとデメリット

次に日本目線での円高、円安のメリットとデメリットを見ていきましょう。

円高のメリット

円高の一番のメリットは海外通貨を安く買える事です。

判りやすい所でいくと、海外旅行をする際に同じ円貨金額を支払っても、円高の場合はより多くの外国通貨を受け取れるという事です。

これは輸入産業にとってはとても大きなメリットがあります。

100万ドルの輸入を行う場合、1ドル=100円であれば、1億円かかるところを、1ドル=95円であれば9,500万円ですむので、為替差だけで500万円も出費を抑える事ができるのです。

円高のデメリット

輸入産業にとって円高は大きなメリットがありますが、逆に輸出産業には大きなデメリットとなります。

なぜなら、輸出産業の場合は円貨で仕入れて、海外通貨で販売する為、円高になると利益が減ってしまう為です。

例で説明します。

5,000万円で仕入れたものを、100万ドルで販売するとします。

1ドル=100円であれば、5,000万円で仕入れて1億円で売るので、利益は5,000万円になります。

ですが、1ドル=95円(円高)になると、5,000万円で仕入れて、9,500万円で売る事になるので、利益は4,500万円になってしまいます。

為替差により利益が500万円も減ってしまいます。

円安のメリット

円安は輸出産業にとってメリットがあります。

こちらも例で説明します。

5,000万円で仕入れたものを、100万ドルで販売するとします。

1ドル=105円(円高)ですと、5,000万円で仕入れて、1億500万円で売る事になるので、利益は5,500万円になります。

先ほどの1ドル=100円の場合と比較して、為替差により利益が500万円増えることになります。

円安のデメリット

円高のメリットで上げたパターンと逆で、円安は輸入産業にとっては利益減となります。

例で説明します。

1ドル=100円の場合

50万ドル(=5,000万円)で仕入れて、1億円で販売したら。利益は5,000万円です。

しかし、1ドル=105円の場合、

50万ドル(=5250万円)で仕入れて、1億円で販売となるので、利益は4,750万円となります。

日本は円安にしたい

業種によって円高、円安のメリットデメリットがあるのですが、日本政府としては、円安にして、輸出を増やすことで、外貨の獲得を進めたい考えが強い為、超低金利対策等で円安に進むように仕向けております。

金利と為替の関係 金利が上がると通貨価値が上がる

次に、金利と為替の関係について説明します。

金利が上がるとその通貨の価値が上がると言われております。

即ち、日本円の金利が上がると円高になりやすいという事です。

何故かというと、通貨の為替レートは需要と供給によって決まるのですが、円貨の金利が上がると、円貨で預金をする人が増える為、円貨の需要が増えます。そうすると、自然と円貨の価値が上がる為、円高に進みます。

ですが、近年継続的に円高傾向が続いており、日本はマイナス金利政策を打ち出して、円高(及びデフレ)に歯止めをかけております。

日本政府は円安にしたい

日本政府としては、対物・対外貨の円貨の価値を下げることで、以下のメリットがあります。

1)輸出増による貿易黒字継続

2)国債(円貨建ての借金)の価値を相対的に減らす

以上のことから、日本は金利を上げたくても簡単には上げられない状況であるといえます。

ただ、通貨安誘導に対してアメリカからの牽制が入っているので、BIS規制のような強硬手段に出られた場合は、急激な金利UPとなり、ローン返済できなくなった企業や個人事業主が立て続けに倒産となるリスクを孕んでおります。

今の日本はそのように危うい状況である事をご理解いただけると幸いです。

そして、そうなった際にどう立ち回るべきかを見極め、資産防衛をする為にも、金融リテラシーを身につけていきましょう。

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