グランビルの法則とは FXのテクニカル分析手法について解説

以前の記事でダウ理論を紹介しましたが、それと並行して有名なのがグランビルの法則です。グランビルの法則はテクニカル分析を利用していく上で大変役に立つので、紹介をしてみようと思いました。グランビルの法則と関連のあるエリオット波動についても説明をしていますので、最後まで読んで頂ければと思います。


FXでよく聞くグランビルの法則とは?

グランビルの法則は、ジョセフ・グランビルというアメリカのアナリストが考え出した法則です。グランビルは株価と移動平均線には8つのパターンがあることを発見しました。

グランビルの法則は、株を売買する時のタイミングを見極めるために役立つと言われています。この法則はFXにも応用が聞くことから、テクニカルトレーダーの間でも広く愛用されています。では、グランビルの法則とはいったいどのような物なのかを詳しく説明していきたいと思います。

移動平均線の特性

グランビルの法則を理解する上で移動平均線には3つの特性がある事を説明します。

①反発する

移動平均線は意識ラインと同様にトレーダーに意識される為、移動平均線付近で買いと売りの注文が増える事で、反発する性質を持っています。

②抜けると加速する

移動平均線には抜けると、その方向(上抜けの場合買い、下抜けの場合売り)の優位性を示すことになる為、その方向への注文が増えて、加速する性質を持っています。

③離れると近づこうとする

移動平均線は、その時点での価格の目安としても働く為、価格が移動平均線から大きく乖離すると、価格を移動平均線に近づける方向の注文が増え、移動平均線に近づこうとする性質が有ります。

例えば、移動平均線より上側に大きく乖離が発生した場合は、利確による売りや、それによる値下がりを警戒したトレーダーの売り注文が増える為、価格が下がり、移動平均線に近づいていきます。

移動平均線の性質を利用したグランビルの法則

グランビルの法則は次の8項目に分類されますが、更に買いと売りの場合に4項目ずつ分けられます。

買いポイント

買いの場合の4法則は、「それぞれの法則が満たされた時を買いのシグナルとする」というものです。

①~④:買いポイント

①移動平均線が横ばい・上昇し始めている時に、価格が移動平均線を下から上に突き抜ける

②上昇中の移動平均線を下から上に突き抜ける

①と②は移動平均線を抜けると加速するという性質を利用した買いポイントです。

利幅を大きく狙う場合は①を狙いますが、負けにくいトレードを目指すのであれば、

トレンド確定後の抜け②を狙うのが上策です。

③上昇中の移動平均線に反発して上昇する

移動平均線の反発する性質を利用した買いポイントです。

反発せずに抜けた場合は自分のポジションとは逆方向に加速する為、注意が必要です。

④下降中の移動平均線から価格が下に大きく乖離

移動平均線の離れると近づこうとする性質を利用した買いポイントです。

強い下降トレンドでは、戻らずに下がり続ける事もある為、見極めが難しいです。

以上の点から、買いポイントとしては、②の上昇中の移動平均線を上抜いた所が良いと考えます。

売りポイント

続いて売りの場合の4法則です。「それぞれの法則が満たされた時を売りのシグナルとする」です。

①上昇中の移動平均線から価格が上に大きく乖離

移動平均線の離れると近づこうとする性質を利用した売りポイントです。

強い上昇トレンドでは、戻らずに上がり続ける事もある為、見極めが難しいです。

②移動平均線が横ばい・下降し始めている時に、価格が移動平均線を上から下に突き抜ける

③下降中の移動平均線を上から下に突き抜ける

②と③は移動平均線を抜けると加速するという性質を利用した売りポイントです。

利幅を大きく狙う場合は②を狙いますが、負けにくいトレードを目指すのであれば、

トレンド確定後の抜け③を狙うのが上策です。

④下降中の移動平均線に反発して下落する

移動平均線の反発する性質を利用した売りポイントです。

反発せずに抜けた場合は自分のポジションとは逆方向に加速する為、注意が必要です。

以上の点から、買いポイントとしては、②の上昇中の移動平均線を上抜いた所が良いと考えます。

グランビルの法則は移動平均線と価格の法則性をトレードに活かせるよう分類したものです。このまま用いてもある程度の効果はあるでしょうが、実際には他のツールやテクニックと併用して用いられるのが一般的です。

グランビルの法則の活用法

グランビルの法則は価格と移動平均線がベースのテクニカルツールですが、より具体的な売買ポイントを探るためには以前紹介したRSI等のインジケーターや、意識ラインといったテクニカルツールと一緒に組み合わせて利用するのが良いとされています。

例えばRSIをつかった場合です。価格が下落トレンド中で、200日移動平均線も下落しているとしましょう。この時に有効なのが、先ほど紹介したグランビルの法則の4番目の法則です。

RSIは買われ過ぎ・売られ過ぎを示すインジケーターですから、価格が移動平均線から大きく乖離したところでシグナルを発信してくれます。

ですから、RSIの売られ過ぎのサインが出たところで価格が再上昇するタイミングを捉えれば、最適な買い注文を入れることが可能になります。

これはあくまでも一例ですが、もっと精度の高い方法を求めるのであれば様々なインジケーター等と組み合わせて研究することが必要です。

売買ポイントのちょっとした違いは収益に大きな差をもたらします。ベストな場所で売買できるよう、色々と試してみて下さい。

エリオット波動とインジケーター

エリオット波動とは、ラルフ・ネルソン・エリオットという株式のアナリストが発見した値動きの法則です。価格が描くチャートの波に着目したテクニカルとも言えます。

エリオット波動は「上昇5波・下降3波」を1つの周期として捉え、それが連続して表れているのが相場であるとしています。

上昇5波は下図のように推進波①③⑤と調整波②④の5波から構成されます。

具体的には相場が上昇している時は上昇・下落・上昇・下落・上昇という上昇5波、続く下落は下落・上昇・下落という下降3波を形成し、これらをまとめて波の1周期になります。

つまり、相場の周期的な変動は必ず5つの波が形成され、それが終わると3つの波による調整が来ると言う訳です。

下落相場の場合は下落・上昇・下落・・・といったように上昇している時と真逆になります。

また、エリオット波動のラインを引く時には、明確なルールがあるのでそれを守る必要があります。

主なルールは次のようになります。
①上昇5波の3番目の波が一番短くなることは無い
②上昇5波の1番目の波の安値(スタート地点)よりも、第2波の価格が下回ることは無い
③上昇5波の4番目の波が1番目の波の高値を下回ることは無い

下落相場の1周期の場合は、これとは逆のルールに従います。

エリオット波動は大きな時間足で見ても小さな時間足で見ても同じように発生しているので、どの時間足でも同じ分析ができるメリットがあります。

ただ、エリオット波動はどれを1つの波として捉えたらよいか難しいというデメリットがあります。実際、使用する人によって波の捉え方が異なったりするので、どれが正しいのかを把握するのが難しいのです。

もし、エリオット波動のラインの引き方が分からない場合は、ZIGZAG(ジグザグ)といった便利なインジケーターがあるので、それを利用して分析をしてみると良いでしょう。

ZIGZAGは自動で波を形成するラインを引いてくれます。ラインが引かれるまで少しのタイムラグはありますが、エリオット波動のラインを分析するには有効なインジケーターです。

FX初心者向けお勧め口座開設は下記リンクの記事をご参照ください。

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