資産運用で失敗しない為の注意点② 投資詐欺から身を守る方法

近年、日本国は老後資産構築の自助努力を国民に呼びかけておりますが、日本人には、投資=危険という思想が未だに根強く残っております。

実際、日本における投資は、別記事で取り上げた投資信託しかり、儲かりにくい仕組みになっております。

それに加え、日本の投資には詐欺案件も多く含まれることが、日本人の心を投資から遠ざけていると考えられます。

今回はそう言った詐欺案件を避ける為の注意ポイントについて、書いていきます。

実際にあった投資詐欺事件を紹介

まずは、過去に実際にあった詐欺事件を2件紹介します。

1)株式会社テキシアジャパンホールディングス

「毎月3%の高配当が保証される」という内容で12,000名以上からおよそ460億円を集めた案件で、一時期ニュースにも取り上げられた案件です。

実際には資金の運用実態はなく、集めた資金の一部を配当に回し続ける。いわゆるポンジスキームという手法。

2019年当初に銅子正人氏が逮捕されております。正人という名前で詐欺師とは、数奇なものです。

2)キャピタルファンドジャパン

「高速取引ができる独自システムを使うので、リスクはほとんどない」という内容で63名から総額113億円以上を出資させた案件で、ガクトさんなどの有名人も出資しておりました。

こちらも運用実態のないポンジスキームであり、2016年9月に松井幸氏が逮捕されております。

ポンジスキームとは1920年代の詐欺師チャールズ・ポンジが行った詐欺手法であり、預かった資金を運用して増やし、配当を支払う」といって資金を集めるが、その実、運用はされておらず、集めた資金から配当を支払う為、出資者を増やし続けなければ、いずれ配当を支払えなくなり、破綻する手法です。

他にも有名手法として、マルチ商法(ネズミ講)と呼ばれるものがあります。こちらもポンジスキーム同様に資金の運用はなく、後から入った人のお金を先に入った人が山分けする仕組みであり、継続性のあるしくみとは言えません。

そんなの騙されないだろうと思うかもしれませんが、聡明なイメージのガクトさんでも騙されてしまうほど、詐欺師の手口は巧妙化しております。

詐欺から身を守る為に知っておくべき知識を共有します。

投資詐欺から身を守る為の注意点

ここからは投資詐欺から身を守る為の具体的な注意点を解説していきます。

大きく分けて注意点は以下の3点です。

1)資産の安全性

2)運用の継続性

3)資産の流動性

では、この3点について、さらに詳細項目に分けて説明していきます。

1)資産の安全性

①自分名義の口座で運用されるか

投資案件として、運用側に完全に資金を預けて、運用益を受け取る形式の物がありますが、この形式の場合は、運用側が逃げたりした場合、資金を取り戻すのはとても難しくなるので、リスクが高いといえます。

ですので、1つ目の見極めポイントとして、完全に資金を預けるのではなく、自分名義の口座を作り、その口座内での運用ができるのかという点が大事になります。

②国から金融業の認可を得ているか

株取引や外貨取引等の金融取引により運用をする場合は、金融業を行う為の認可を国から受ける必要があります。

ですので、運用母体が、国の認可をとっているかを確認することで信用度を見る事も一つの見極めポイントとなります。

運用母体が、金融業の認可をとっていれば、その確認方法も説明できるはずなので、必ず確認をとるようにしましょう。

③投資家の資産と運用側の資産が分別管理されているか

①で自分の口座で運用されるかという点を見極めポイントに挙げましたが、自分名義の口座でも、運用側が好きに出金したり使ったりできるのでは、安全とは言えません。

投資家の資産と運用側の資産が明確に分かれており、運用側は投資家の資産を勝手に引き出せない仕組みになっているかという点も詐欺から身を守る為の見極めポイントになります。

2)運用の継続性

①運用内容が明確か

ポンジスキームのような詐欺を避ける為に大事なのが、どのように利益を出すのかをしっかり理解するという点です。

また、マルチ商法のように、一部の人(マルチでいうと後から入る人)が損をする仕組みは、継続性があるとは言えません。投資家、運用側を含め、運用に関わる全ての人に継続的なメリットがある仕組みでなければ、運用の継続性があるとは言えません。

②長期的なマーケットで運用されているか

長期的なマーケットとは、わかりやすいところでいうと、金、株式、外国為替取引等の過去から長期にわたり、マーケットが続いているもので、今後も継続することが見込まれるものです。

一方で、暗号通貨等は、今後の動向をつかむのは難しく、長期的なマーケットと呼ぶには少し早いかと考えます。

実際に、暗号通貨のマーケット規模は2018年1月のおよそ93兆円を記録して以降縮小しており、2019年9月現在その規模は23兆円にまで縮小しております。

例に挙げた株式に関して、国内株式は1949年以降70年の歴史があり、現在の市場規模はおよそ600兆程度となっております。

また外国為替取引においては、各国の通貨が存在する限りはマーケット規模は維持拡大していくと考えられます。

3)資産の流動性

①出金方法は明確か

投資で資産が増えても、出金できなければ全く意味がありません。ですので、投資をする際は必ず、出金方法(現金化の方法)を明確に把握しておく必要があります。

②出金にかかる時間

出金、現金化にかかる時間は妥当かどうかという点も大事な見極めポイントになります。

出金、現金化にかかる時間については、運用の内容によっても大きく異なる為、明確な線引きはできませんが、出金時間の妥当性と、自分に許容できる範囲かどうかという観点で、見極めることをお勧めします。

最後にもう一度ポイントをまとめておきます。

1)資産の安全性

①自分名義の口座で運用されるか

②国から金融業の認可を得ているか

③投資家の資産と運用側の資産が分別管理されているか

2)運用の継続性

①運用内容が明確か

②長期的なマーケットで運用されているか

3)資産の流動性

①出金方法は明確か

②出金にかかる時間

以上のポイントに注意して、投資詐欺から身を守りましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。