銀行で勧められた投信信託に投資したけれども、全然増えない、または元本割れしている方はかなり多いのではないでしょうか?
金融庁の調べによると、46%もの方が投資信託により損失を出しているようです。
約半分の確立で損するとなると、これはもはや投資ではなく投機(ギャンブル)と言うべきです。
金融のプロフェッショナルである銀行員がお勧めする投資信託に投資しているのに、このように投機的な勝率になるのには実は理由があります。
今回はそこを解説していきます。
目次
銀行はどのようにお勧めの投資信託を決めているのか!?
そもそも、銀行員はお客様に紹介する投資信託をどのように選定しているのでしょうか。
投資家目線で考えるのであれば、もちろん、投資家の資産が増えることを考えて選定してほしいですね。
過去の利回り、投資先の選定基準、リスク分散の仕方、今後の展望や投資方針等を総合的に分析して、有望な投資信託先を選定するべき。というのが、投資家目線で銀行員に求める姿です。
実際はどうでしょうか?
まず、お勧めする投資信託は、銀行員が個人的に選定しているものではなく、銀行本体が決定しております。
では銀行はどのようにお勧めを決めているかというと、銀行が儲かる投資信託をお勧めします。
銀行は投資信託をお客様に進めて、お客様が投資した場合、信託報酬という手数料を受け取ることができます。
ですが、この信託報酬の金額は、一律ではなく、投資信託先が自由に設定しております。
ここに大きな落とし穴があります。
銀行側の立場で見たとき、お客様が儲かるかどうか微妙だけれども信託報酬が高い商品Aと、お客様が儲かる可能性が高いけれども信託報酬が低い商品Bがあった場合、どちらを進めるでしょうか?
銀行は慈善事業で投資信託を紹介しているわけではなく、手数料を取って利益を上げる為に投資信託を紹介するので、当然、銀行がより利益をとれる商品Aを紹介します。
極端な話、銀行にとしては信託報酬を得た時点でその取引は終了しているので、投資した資産が減ろうが、増えようが関係がないというのが現実です。
投資家が儲かり続けると銀行は困る!?手数料ビジネスの裏側!
さて、銀行にとっては、投資した資産が減ろうが、増えようが、関係ないと述べましたが、厳密には少し補足が必要となります。
まず一点目、明らかに儲からない投資信託ばかり紹介していると、リピーターがつかないので、信託報酬が取れなくなってしまいます。なので、ある程度稼げるものも必要となります。
一方で、実は投資家が順調に資産を増やし続けられる投資信託に投資した場合、銀行にとって不都合があります。
銀行にとって投資信託の紹介は手数料ビジネスなので、乗り換えてもらわないと、手数料をとれません。
つまり、銀行としては、投資家が投資信託先を変更する度に信託報酬を得られるので、長期間同じ投資信託先を利用されると、利益をとれないのです。
そう考えると、銀行側の立場で、今後長期的に伸びることが予想される信託先は紹介しませんよね。
以上を踏まえて、銀行側の立場で紹介する信託先を選定するとしたら、以下のポイントで選定すると考えます。
1)信託報酬が高い
2)一見好調に伸びているように見える
3)高利回りは長く続かないことが予想される
実際、私自身、過去に銀行で投資信託先を紹介していただきました。
チャートを見ると好調に伸びているように見え、配当もとても魅力的だった為、資金を投じました。
結果、チャートはすぐに反転、元金を削りながら配当を出している状態が続き、
当の配当も当初の4分の1程度まで落ち込みました。
当時は運が悪かったのかなくらいにしか思いませんでしたが、ここでもし、別の信託先に乗り換える為に銀行に相談なんかしていたら、それこそ銀行の思うつぼだったわけですね。
投資家の資産を増やす自信のある投資先は成功報酬制をとる
銀行の紹介する投資信託が信頼できないなら、どのように投資先を選べばよいのか?
まず、詐欺に騙されないことが一番大事ですが、その注意点については別の記事で解説します。
本記事で押さえていただきたいポイントは「資産を増やす自信のある投資先は成功報酬制をとる」という点です。
成功報酬の場合、信託報酬とは異なり、利益を出した場合に利益の一部を報酬として受け取ることができます。
つまり、利益を出さない限り報酬を受け取れない代わりに、利益を多く出せば、それだけ多くの報酬を得ることができるというわけです。
成功報酬について例を挙げて説明します。
成功報酬制の投資先として有名なものとして、ヘッジファンドがあります。
ヘッジファンドとは、市場が上昇でも下落でも利益を出せるように、先物取引や信用取引を取り入れることで、市況の変化に対応したファンドのことです。
最近ではFX取引を主とするヘッジファンド等もあります。
例えば、Aというヘッジファンドは、利益の40%を成功報酬として定めているとします。
100万円を投資して10%の利益が出た場合、投資家は10万円の利益のうち、4万円を報酬として支払うことになります。
一方もし、100万円を預けて、損失が出た場合、ファンドは利益を得ることができません。
さらに、ハイウォーターマーク方式という成功報酬の方式があります。
この方式を適用している場合、基準価格を下回った場合、基準価格以上まで利益を出さない限り、成功報酬が発生しないというものになります。
例を挙げて説明します。
100万円をあずけて、10万円の損失を出し、90万円まで減ったとします。
その後、10万円の利益を出して、100万円まで戻ったとします。
その際、基準価格の100万円に対して利益は0なので、ファンドマネジャーに成功報酬は発生しません。
つまり、ファンドマネジャーは報酬を受ける為には基準価格に対して、利益を上げる必要があるという事になります。
基準価格の設定方法はケースバイケースですが、この方式をとることで、投資家が損をしているのにさらに成功報酬を支払うという事態を避ける事ができます。
このように成功報酬制をとっているファンドは、基本的に投資家の資産を増やし続ける事を前提として運営されているので、長期的な投資先として良いのではないかと考えます。
私自身、投資信託をやめて、ヘッジファンドに資産を投じておりますが、上記のような前提で運用されている為、安定的に利益を出してくれております。
投資先を選定するさいの指針として、運営側の報酬の仕組みについても調べてみてはいかがでしょうか?