優秀な人材の特徴をわかりやすく解説

資産を増やし、守っていくためには、自分の市場価値を高めて「優秀な人材」として認知される事も非常に重要な要素となります。

この記事では、「優秀な人材」がどのような特徴を持っており、「優秀な人材」になる為には、どのようなことに注意する必要があるのかを解説します。

優秀な人材の特徴

優秀な人材の特徴として、以下のような特徴があげられます。

1)目的意識が強い

2)何ができるかを考える

3)計画をたてる

4)PDCAを早く回す

5)他人の意見に耳を傾ける

6)影響の輪を広げる

これらの特徴について、詳しく解説していきます。

目的意識が強い

優秀な人材は、仕事を行う時に、For What(何の為)を意識して取り組みます。

寓話を例に説明します。

ある村で石を積む職人が4人いました。彼らに「あなたの仕事は何か」を問いかけたところ、

職人Aは、「石を積むこと」と答えました。

職人Bは、「壁を作ること」と答えました。

職人Cは、「教会を作ること」と答えました。

職人Dは、「人の心を癒す空間を作ること」と答えました。

あなたが、自分の家を建てる場合、どの職人に任せたいでしょうか?

おそらく大半の方は、職人Dに任せたいと考えるかと思います。

優秀な人材は、自分の仕事の最終目的を意識して仕事に取り組むので、目的に沿った+αの価値を生み出します。

具体例で説明します。

会社の月度損益の分析をするという仕事について考えます。

担当Aは、「費目別の実績数値が計画と比較して増減した理由を確認することが仕事」だと考えます。

担当Bは「費目別の実績数が計画と比較して増減した理由を報告することが仕事」だと考えます。

担当Cは、「費目別の増減要因を報告して、対応についてフィードバックを得る事が仕事」だと考えます。

担当Dは、「費目別増減要因に対するフィードバックを得て、今後の改善につなげる事が仕事」だと考えます。

担当Dは、改善に繋がるフィードバックを得る為には、どのような情報が求められるのかを考慮して報告内容をまとめる為、より有効な改善に繋がる可能性が高くなります。

このような人は、優秀な人材と判断されて、自然と仕事が集まるので、より高い報酬を得られるようになり、資産形成もしやすくなります。

自分に何ができるかを考える

「自分に何ができるかを考えること」は、優秀な人材とそうでない人材を分ける一番重要な要素だと思います。

仕事を頼まれた際に、優秀な人材は、その仕事の目的を明確にした後、その目的を達成する為に、「自分に何ができるか」を考えます。一方で優秀ではない人は、仕事を頼まれた際に、「できない理由」を考えます。

具体例で説明します。

「X工場のA工場長」と「Y工場のB工場長」に、それぞれ前年比5%コスト削減案を2週間でまとめて出すように指示が出ました。

A工場長は、「検討いたしますが、今年度は、材料価格が高騰しており、また、設備更新の投資もある為、5%のコストダウンは難しいかと思います」と回答しました。

B工場長は、「コスト内訳を分解して、無駄な部分、削減できる所を明確にして、削減案を報告いたします。」と回答しました。

2週間後の報告は以下のような内容でした。

A工場長「先日お話しておりましたように、材料価格の高騰および、設備投資増加による償却費増加がございますので、コスト削減取り組みの検討は継続しますが、前年比コスト5%削減の達成は困難です。」

B工場長「設備の自動化により労務費を5%削減し、不良削減により材料費も3%削減を見込んでおります。そのほかにも、改善アイテムを積み上げて、製造経費4%削減を見込んでおります。一方で、仕入れ価格の高騰や設備償却費の増加等のコスト増要因もございますので、前年比コスト5%削減に向けて、設備投資の圧縮等、さらなる改善案の積み上げを検討しております。」

検討結果として、どちらの工場長も2週間で5%削減案の提示には至っておりませんが、A工場長、B工場長のどちらかを今後役員に起用するとなった際、B工場長が起用される可能性が高いのでは無いでしょうか?

B工場長も材料費が高騰することは依頼された時点で分かっておりましたが、自分にコントロールできない事にいくら時間をかけても時間の無駄なので、「自分に何が出来るのか」に注目して、時間とエネルギーを集中しました。

そうすることで、自分にコントロールで出来る範囲でより良いアウトプットを出せる為、優秀と判断され、より大きな仕事をまかされるようになります。

計画を立てる

優秀な人材は、プロジェクトを遂行する際、担当と期日を明確にして計画を立てます。

会議進行の場面を例に説明します。

<進行役が優秀ではない場合>

社員A「本日は、△△プロジェクトの進め方について相談したく、お集まりいただきました。まず、このプロジェクトを進めかたについて、ご意見をいただけますでしょうか?」

社員B「意見ではなく質問ですが、〇〇のコストはどうなるんですか?」

社員C「それは、調達部から見積もりとってもらわないとわからないですね。それよりも、生産準備の手配は生産技術部に依頼してますか?」

社員A「生産技術部には、後ほど依頼します。その他にプロジェクトを進めるうえでのご意見ご質問はございますか?」

<進行役が優秀な場合>

社員A「会議のアジェンダで展開しておりますように、本日は、△△プロジェクト推進に当たっての実施事項とスケジュールの整理を行いたいと思います。

まず、全体の流れとして、表のような内容で進めたいと思います。1つ目の実施事項については、Bさんの担当になるかと思いますが、ご対応いただくにあたって、必要な情報などございますか?」

社員B「〇〇のコストが必要です」

社員A「Cさん、〇〇のコストはどれくらい時間があれば確認可能ですか」

社員C「2日もあれば連絡できます」

社員A「では、Cさんから、2日後までに〇〇のコスト展開いただく旨をスケジュールに追加します。Bさん、ほかに必要な情報等は、ございますか?」

社員B「いえ、2日後にコストいただけるなら、〇日には回答できると思います」

社員A「ありがとうございます。

次に、Cさんに確認です。生産準備の手配は、生産技術部で〇日までに実施予定と伺っておりますが、それを踏まえて、3番目の実施項目の対応時期はいつ頃になりそうでしょうか?」

社員C「〇日までには対応します」

前者の例では、担当者も期日も不明確なまま会議が進行しており、この会議が完了しても、明確な計画を立てることはできません。

優秀な進行役は、誰が、いつまでに、何を、どのようにするのかを明確にして会議を進めることで、出席者全員で明確な計画に合意することができ、その後の進捗フォローもスムーズに行うことが可能です。

PDCAを「早く」回す

ビジネス書などでPDCAを回して仕事を進める事の重要性について触れられることがありますが、優秀な人材は、PDCAを「早く」回す事で、より高いアウトプットを目指します。

例えば、担当Aは、50万円/月の効果の改善を1件/2か月のペースで6件実施し、担当Bは50万円/月の効果の改善を1件/月のペースで12件実施したとします。

この場合、担当Aの年間改善効果額は、

0  + 50+ 50+ 100+100+ 150+150+ 200+ 200+250+ 250+300=1,800万円/年

担当Bの年間改善効果額は、

50+100+150+200+250+300+350+400+450+500+550+600=3,900万円/年

となり、倍以上の差が出ます。

このようにPDCAを早く回せる人材は、会社の利益改善に大きく貢献できる為、優秀だと判断されます。

他人の意見に耳を傾ける

「盗人にも五分の理を認める」という言葉があります。

これは、悪事を働いた人にもそれなりの理由があるので、頭ごなしに否定するのではなく、その人の考えにも耳を傾けるというものです。

優秀な人材は、自分が完璧ではない事を理解しているため、自分と異なる意見の相手に対して、なぜそのような考えに至ったのかを理解しようと努めます。そうすることで、新たな気づきを得られる為、知識の幅が広がり、広い視野を持って最適な判断ができる人材へと成長します。

また、意見の異なる相手の話を注意深く聞くことで、自分の意見にも耳を傾けて貰いやすくなり、互いに腑に落ちる結論に至る事で味方を得ることにも繋がります。

影響の輪を広げる

優秀な人材に求められる素養の一つに「リーダーシップ」があげられます。

リーダーシップとは、目標を明確に示して、協力者を得る能力のことです。

先述の(1)~(5)を意識的に実施することに加えて、目標達成によって相手や相手が所属する部署/会社が得られるメリットを明確に示すことで、協力者を増やし、自らがコントロールできる範囲(影響の輪)を広げます。

影響の輪が広がると、より大きな目標もスピーディに達成できるようになり、その成果から、さらに大きな仕事と権限を与えられるようになります。

優秀な人材になる為にどうするか

優秀な人材になる為には、先述の特徴を意識的に身につける必要があります。

具体的には、以下の点に注意して仕事に取り組むことで、あなたの評価は確実に上がります。

1)自分の仕事の最終目的が何で、その目的を達成する為に自分に求められているアウトプットは何なのかを考える。

2)自分にコントロールできる範囲で最善のアウトプットを出すことに注力する

(コントロール外のことは、「なるようにしかならない」と割り切る)

3)仕事の担当者と期日を明確にする

4)PDCAを「早く」回す事が、利益増に繋がることを意識する

5)自分と異なる意見は学びの場と考える

6)相手や所属する部署/会社のメリットを示して、味方を増やす

この記事を読んでいただいた貴方の評価が上がることを心よりお祈りしております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

仕事とは何か?ただお金を貰う為ではありません。その本質を理解する事で、前向きに仕事に取り組む事ができると考えます。この記事では読者の皆様が、やりがいを持って仕事に向き合えるよう、その本質と成功の秘訣を分かりやすく解説しております。